「君の名前で僕を呼んで」が教えてくれた人生哲学
憧れの人を内側から覗きたくなるのが恋
頭では良くないことだとわかりながらも、惹かれ合い恋に落ちてゆくエリオとオリヴァー。
ユダヤ民族を象徴するダビデの星のペンダントをする二人は、同性愛は禁忌だと知っています。
男同士でどれだけ抱き合っても子どもは作れないし、生物学的にいえば意味のない行為。
許されない行為をこれ以上続けてはいけないと思いながら、エリオはオリヴァーを、オリヴァーはエリオを前にすると、気持ちは抑えられずキスをして抱き寄せてしまいます。
そして互いに自分の名前で呼び合う二人。
自分の名前で呼び合うことに何の意味があるのか考えてみたのですが、 恋愛感情を「憧れ」の延長線上にあるものとして表現しているのかもしれません。
恋人と似た服装をしたり同じ体形になろうとしたりする人の心理と似ている気がします。憧れの人に「近づきたい」「触れたい」という思いは「なりたい」「入れ替わりたい」という思いに発展することがあります。
しかし憧れの人に格好は似せることはできたとしても、心は満たされない。
そして欲しているのはその肉体を動かしている心のほうだと気づきます。それが恋に落ちる瞬間。
エリオが戻れないところまで落ちてしまう前に関係を元にもどしたいオリヴァーでしたが、エリオを前にすると拒めず受けとめてしまいます。
幸か不幸か、夏の終わりとともに二人の関係も終わります。残されたエリオに向かって、父は「多くの親は早く終わらせたいと願い息子が冷静になることを願う。私はそういう親ではない。」と言います。(ここからしばらく心に響くセリフが続くので個人的にはこのシーンだけでも見てほしい)
そしてオリヴァーも家族のように接してくれる父の気持ちに気づいていたと言うのです。
なのになんでか迎えるのは悲しい結末。
それぞれが抱えている思いは誰も傷つけないのに、声に出せないでいる理由を考えると切なすぎます。
君の名前で僕を呼んでの作品情報と配信中の動画配信サービス
基本情報
原題 | Call Me By Your Name |
公開日 | 2017/11/24/ |
言語 | 英語 |
上映時間 | 130分 |
出演者 | アーミー・ハマー |
監督 | ルカ・グァダニーノ |
あらすじ
1983年夏、北イタリアの避暑地。17歳のエリオは、アメリカからやって来た24歳の大学院生オリヴァーと出会う。彼は大学教授の父の助手で、夏の間をエリオたち家族と暮らす。はじめは自信に満ちたオリヴァーの態度に反発を感じるエリオだったが、まるで不思議な磁石があるように、ふたりは引きつけあったり反発したり、いつしか近づいていく。やがて激しく恋に落ちるふたり。しかし夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づく…。
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