ペイ・フォワードが教えてくれた人生哲学
小さな行いの積み重ねが世界を大きく動かしている
「恩送り」や「情けは人の為ならず」といった言葉があるように、人から受けた恩を別の人に返すことは、昔から現代までずっと行われてきています。しかし、生きていて誰かの恩で世界が変わっているのを実感することってほとんどありませんよね。
しかし最近、幸せが伝搬するペイフォワードとは真逆ですが、個人の小さな行いが世界を変えてしまうのを私は身をもって知りました。2020年2月、あるSNSの投稿がきっかけで、日本中からトイレットペーパーが消えてしまう出来事が起きたのです。
コロナウイルスの予防に必要なマスクが店頭から消えてしまったあと、「次になくなるのはトイレットペーパーです。早く買っておかないとなくなります。」と言った人がいました。
その言葉を信じた人は、悪意なく家族や友人に積極的に伝えました。(なかには悪意ある転売屋もいましたが…)
その噂は瞬く間に広がり、その日私の髪を切っていた美容師さんから「トイレットペーパーが無くなるっていうんで買ってきましたよー」と身近な問題として私のところにも届きました。
「トイレットペーパーが買えなくなるという噂」は急に真実味を帯び、家に三ロールくらいしかないから買っておいたほうがいいかなと、美容院の帰りに軽い気持ちでホームセンターに寄ると、いつも何十個も置いてある棚にもう五個くらいしか残ってなくて。これはヤバイといつものお気に入りのトイレットペーパーじゃないのに焦って買って帰りました。
そしてすぐに私は美容師さんから受け取った情報を実家の親へ渡し、それを聞いた親は慌ててトイレットペーパーを買いに走っていました。
色々条件はあると思いますが、一人一人の小さな行動が世界を変えてしまうことってあるんですよね。デマが広がりトイレットペーパーが消えていく世界と「ペイフォワード」で幸せが広がっていく世界。私の中で重なってみえる部分がありました。
トイレットペーパーが日本中から消えてしまったのは、一人一人が自分や家族、友人、知人を守るために行動した結果だと思います。もし「ペイフォワード」の精神を知っていて、ほんの少し見知らぬ他人の幸せを想像できていれば、人々の不安を煽るのに加担してしまう前に、一人一人がもつ小さな影響力を世界を良い方へ変えるために使うことができたはず。
ペイ・フォワードの作品情報と配信中の動画配信サービス
基本情報
原題 | Pay It Forward |
公開日 | 2001/02/03/ |
言語 | 英語 |
上映時間 | 123分 |
出演者 | ハーレイ・ジョエル・オスメント |
監督 | ミミ・レダー |
あらすじ
11歳の少年トレバーは、社会科の授業中、担任のシモネット先生から「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」と問い掛けられる。悩んだ末にトレバーはあるアイデアを思いつく。それは”ペイ・フォワード”。他人から受けた厚意をその人に返すのではなく、まわりにいる別の人へと贈っていく…という奇想天外なアイデアだった。やがて、少年の考えたユニークなアイデアが広がり、心に傷を負った大人たちの心を癒していく…。
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