カールじいさんの空飛ぶ家が教えてくれた人生哲学
綺麗な死に方をするために頑張れるなら出来ることが他にある
外出自粛が解除されはじめて、気持ちが焦り始めている自分に気づいたんです。このままじゃいけない、家にこもってないで外に出ていかなきゃいけないって。
私の場合、家にいなさいって言われて、どちらかというと心から満喫できていたんですよね。家にいろって周りが言うから家にこもって映画見てるんだって思えてたんです。
そうやって人のせいにできていたのが、急に誰のせいにもできなくなってきて、周りが活動しはじめる姿をみながら、誰にも良く思ってもらえない暮らしを自分は続けようとしているんだと自己嫌悪に陥っていました。
学校や会社がはじまって、そんな風に感じている人はきっとわたしだけじゃないはず。
このまま家で仕事や勉強をしながら、映画見たりゲームできたりできればいいのになって。
もとに戻り始めてる世の中をみて、やっぱり自分には合っていない、自分が生きていく世界じゃない、と確信してしまった人もいると思うんです。
みんなが当たり前に暮らしている世界で自分ひとりが苦しんでいるなんて、みっともないし孤独です。
誰にも迷惑をかけない「綺麗な死に方」ってないのかなと冷静に考えてみたりして。だけど、首吊ったら発見した人がショックだろうし、自分の部屋だと価値が下がってあとで売れなくなるだろうし、車で練炭燃やして、何か月も見つからなくて悲惨な姿で発見されるのもなんか嫌。飛び降りも飛び込みもあとが大変そうで申し訳ないし。
スマホも解約しないといけないし、お金も少しは残しておいたほうがいいだろうし、遺書もあったほうがいい。
下着だって新調しておいた方がいいだろうし、ムダ毛の処理もしておいたほうがいい。
綺麗な死に方を決行するにはいろいろやることがあるなぁと考えているうちに、そんなことを頑張れるならやりたいことできるやん?と思うわけです。
どっちみち人に迷惑かけるんだったら、食べたいもの食べて、行きたいとこ行って、言いたいこと言って、人に迷惑かけながら生きればいい。そのぶん人に迷惑かけられるのを許せばいいんです。
で、とりあえず現実から映画の世界にでも逃げようかってなるのが、 長年そんな気持ちを抱えて暮らしている私のルーティンで、そんな私を笑ってひと晩乗り越えさせてくれた「カールじいさんの空飛ぶ家」。
公開された頃はまったく興味なかったカールじいさんなんですが、偶然予告みたら良さげな映画な気がして見はじめたんですけど、崖っぷちで不安定な自分の心境にドンピシャでした。カール少年がカールじいさんになる冒頭の10分でなんか泣けてくるし、このままこんな切ないストーリーなのかと思っていたら、 わんこがわーっと出てきて頭おかしいしゃべりかたして 、そこからめっちゃ面白いし。自然と笑ってるのに気づいて、ああまだ自分は大丈夫だなって。
死ぬまでに、簡単にできることからやりたいことをやっておこうって気になりました。
電車に飛び込んだり、マンションから飛び降りたりしてしまうのって、衝動的じゃないと無理なんです。死んだあとのことを考えて、携帯を解約しておこうと考えたり、綺麗な死に方を検索する人は、まだ他にできることがあるのをわかっているから、そっちの方向で自分の命を使ったほうがいいんです。
今がつらいのは間違いないから逃げる目的も兼ねてね。恋の病だったらじっとしてればそのうち回復するけど、じっとしてるだけじゃ治らなくて、何か行動しないとおさまらないのが死にたい気持ちのやっかいなところだから。
この映画を見てると、はじめから生きられる時間は限られていてることがわかるし、残された時間でできることが他にもたくさんあると思えてきて、とりあえず死ぬ以外の方向で考えてみようかって気持ちになれます。
カールじいさんの空飛ぶ家の作品情報と配信中の動画配信サービス
基本情報
原題 | Up |
公開日 | 2009/12/05/ |
言語 | 英語 |
上映時間 | 102分 |
出演者 | エドワード・アズナー |
監督 | ピート・ドクター/ボブ・ピーターソン |
あらすじ
78歳のおじいさんカールは、亡き妻エリーとの「いつか南米を冒険しよう」という約束を果たすため、一世一代の冒険の旅へ。思い出が詰まった大切な我が家に無数の風船をつけ、家ごと旅立つカール。少年ラッセルら旅の仲間たちとともに、目指すは南米の秘境、伝説の場所、パラダイスの滝!
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