ラーヤと龍の王国が教えてくれる人生哲学
平和のために争うな
”すぐに人を信じてしまう性格の最後の龍”シスーと、”自分以外は信じられないヒロイン”ラーヤが、”疫病の魔物”ドルーンによってバラバラにされた世界を取り戻すために旅する冒険物語。
「信じる」がテーマとなっている本作です。
コロナが蔓延する現実世界と重ねて観ていると、気持ちで世界を救えるものかと鼻で笑い飛ばしてしまいそうですが、21世紀の戦争って、資源や領土を奪うのに、人が武器を持って殺し合う必要はないんですよね。
謎のウイルスを送り込んだり、サイバーテロで、相手国を機能停止に追い込めば服従させられるから。
一般市民が自分の生活だけ心配して呑気に暮らしている裏で偉いさん同士が国取り合戦を繰り広げていても、誰も気づかないというか、気づく必要がなくなっているのが第三次世界大戦なんだなって。
それでも少しずつ異変に思う人たちが表れて、そんな人たちがすることって、すれ違うアジア人に暴力を振るったり、暴言を浴びせたりなんですよね。
世界で起こっていることが戦争に近いものだと、うすうす感じはじめた人たちは、準備をしておかないといけなくって、それは武器を持って戦う準備ではなく、武器を持たず戦わないと誓う心の準備。
世界を元に戻すために戦うのではなく戦わない。この映画「ラーヤと龍の王国」が言わんとするテーマです。
「信じる」って、裏切らない確信をもてる相手に期待することではなく、相手は裏切るかもしれないと疑いながらも期待すること。
だから、信じられる相手かどうかは考えず、自分の気持ちを理解してもらうのを相手に期待するのが、龍のシスーが言う「信じる」なんですよね。
私はどっちかというと、色々あきらめてしまっていて、人に期待しないタイプの人間。
人を信じているように思われますが、じつはまったく逆で端から人を信じていないんですよね。
期待を裏切られて傷つくのが嫌だから。
だけど、裏切られるのをおそれ諦めて期待しないのではなく、裏切られるかもしれないけれど期待する。
諦めるのではなく、期待をする、それが「信じる」。
戦争がはじまろうとしたとき、大切な人を守るためにみんなが武器を手にするのではなく、大切な人がケガしないように誰も武器を手にしないことを期待するんです。
そのためには、まず自分から武器を捨てないといけない。ラーヤのように。
って書くと格好いいけど、「コロナ禍の今は暴力扇動に乗らず、映画を観たりすることが平和をもたらす」くらいに思って過ごすだけでも世界平和に貢献できそうです。
ひとりひとりの「戦わない」という気持ちがコロナ禍の世界を救うかもしれないと知らせてくれたラーヤと龍の王国でした。
本作のテーマに着目してスピリチュアルな視点で重苦しく書きましたが、愉快なキャラクターが爽快なアクションで活躍する、子供が見ても楽しめる明るいディズニー映画です。トゥクトゥクが愛犬に似ていて可愛いかった。
テーマソングは Jhené Aiko(ジェネイ・アイコ)"Lead the Way"
映画に興味ない人はテーマ曲のほうを聴いてほしいです。
コロナ禍に元気をくれる歌詞で、家に帰ってからもずっと聴いてます。
YouTubeを字幕オンにすると和訳の歌詞が表示されるので、ぜひ字幕オンでご視聴ください!
ラーヤと龍の王国の作品情報と配信中の動画配信サービス
基本情報
原題 | Raya and the Last Dragon |
公開日 | 2021/03/05/ |
言語 | 英語 |
上映時間 | 108分 |
出演者 | |
監督 | ポール・ブリッグス/ディーン・ウェリンズ |
あらすじ
その昔、この王国は聖なる龍たちに守られ 人々は平和に暮らしていた 邪悪な魔物に襲われた時 龍たちは自らを犠牲にして王国を守ったが 残された人々は信じる心を失っていった… 500年もの時が流れ 信じる心を失った王国は、再び魔物に襲われる 聖なる龍の力が宿るという<龍の石>── その守護者の一族の娘、ラーヤの旅が始まる。 遠い昔に姿を消した “最後の龍”の力を蘇らせ 再び王国に平和を取り戻すために…
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