
ジム・キャリーの演技がぶっとんでいるのでコメディ色強めですが、この映画はイギリス人のダニーウォレスが自身の経験を元に執筆した「Yes Man」という本に基づいて製作されていて結構ためになります。いつも断っていた誘いに明日は乗ってみようかなって気分になるよ。
こんな人におすすめ
- 罪悪感を抱きながら「ノー」と言ってしまう人
- 笑える映画を見たい人
- 少し人生観を変えたい人
「No」が頭に浮かぶとき人生の転換期は訪れている
あらすじ
仕事にもプライベートにも「ノー」「嫌だ」「パス」と答える極めて後ろ向きの男、カール・アレン。 親友の婚約パーティーまですっぽかし、「生き方を変えない限り、お前はひとりぼっちになる」と脅されたカールは、 勇気を振り絞り、とあるセミナーに参加。"意味のある人生を送るための、唯一のルール"は、全てのことに、それがどんな事であっても「イエス」と言うだけ。何事も否定せず「イエス」を連発、偶然知り合ったアリソンは、彼の積極的でユーモアのある人柄に惚れ込む。人が変わったように運気をどんどんあげていくカール。 だが全てが好転し始めたとき、思わぬどんでん返しが待っていた・・・?全てに"YES"と言ったらどうなるか、を実際に試してみたBBCラジオディレクターの体験実話に基づく愛と笑いのポジティブ・ストーリー。
イエスマン "YES"は人生のパスワード /Youtubeムービー
作品情報
公開日 | 2008年 |
ジャンル | コメディ |
国/言語 | アメリカ/映画 |
監督 | ペイトン・リード |
キャスト | ジム・キャリー テレンス・スタンプ ズーイー・デシャネル ブラッドリー・クーパー |
参考: イエスマン YESは人生のパスワード /Wikipedia
感想
日本には「イエスマン」の人って結構いるんじゃないでしょうか。イエスマンっていいことばかりじゃないですよね。そんなことを思いながら映画を見ていました。映画ではノーマンからイエスマンになった男の話ですが、イエスマンからノーマンになった私の話をここでしてみようと思います。
私は二十代までイエスマンでした。人にお願いされるのが頼りにされているようで嬉しかったんです。そんな人多いと思います。
社会人になってからは、休日出勤も、残業も、飲み会も、何でも頼まれれば引き受けていました。そしたら私が断らないのを利用してくるひとりの上司が現れたんですよね。
「明日やっと休みや~」って日の夜になると「明日用事ある?」 と電話がかかってきて、
遊びの誘いではなく仕事の内容なのは大体想像できるので、「(仕事を断るほどの用事は)特にないです。」と私が答えると、「明日代わりに出勤してほしい。」といった内容でした。
1度だけだったらよかったんですけど、休みの前日になると高確率で電話がかかってくるようになっていました。
映画のような幸運が舞い込んだり、納得できていればそれでもよかったのですが、私は無理をして引き受けていたんですよね。「用事って何?」と聞かれたときに「家でゴロゴロします」なんて正直に言えないし、仕事を断れるほどの理由にはならない気がして「明日は用事があるんです。」とは言えませんでした。
休みの日に家でゴロゴロするのは他人からすれば無駄な時間でも、自分にとっては物凄く大事な時間です。
私の大事な時間を奪う上司は何かがおかしいと思い始めた頃、ちょうど職場でも「~さん(電話してくる上司)は言いやすい子にシフト代わってもらって遊びに行っている。」という噂が広まっていて、「ノー」が言えなきゃいけないと思うようになったんです。
その上司がきっかけで私はノーマンになったんだったと映画を見ながら思い出していました。
そこから私のノーマン度合いはエスカレートしてしまって、「ノー」すら言うのが億劫になっていた私の周りには誰もいなくなっていました。そうなってしまうとジムキャリー演じる主役の男より酷い境遇です。
人に何も期待されないノーマンって楽だし悪くはないんです。
悪くはないはないけど日常に何か物足りなさを感じながらこの映画を見ると、新鮮で刺激的な毎日を送るイエスマンを真似して「イエス!」と言いたくなってしまいます。
人に声をかけてもらわないと「ノー」も「イエス」も言えないので、孤独なノーマンにだけはなってはいけないし、かといって、頼られて気分がいいからとずっとイエスマンでもしんどくなります。
ほどほどが一番。
だけどイエスマンを見るとしばらくは「イエス」と言いたくなってしまうでしょう。