
「友情」という陳腐な言葉を、知的で叙情的に使って自分の想いを伝える小説家。こんなふうに言葉を操れる大人に憧れます。 最後まで見ると温かい気持ちになれるヒューマンドラマの王道作品。 しかし、どうして小説家は家に籠るようになってしまったのでしょうか。家族の写真が映るシーンとか意味ありそうなんだけど。
こんな人におすすめ
- 「友情」と聞いて懐かしく思う人
- ヒューマンドラマの人気作品を見たい人
- 「Don't think.Feel.」が好きな人
美しい言葉は「心」で綴られる
あらすじ
バスケットボールのプロ選手を目指す、ブロンクスに住む16歳の高校生ジャマール。彼には隠れた文学の才能があった。偶然か運命の導きか、彼が見つけたのは40年前ピューリッツァー賞に輝いた処女作一作だけを残して文壇から消えた幻の大作家、フォレスターだった。少年に文学の才能を見出した大作家は彼の導き手となると同時に、自らも、心閉ざして生きてきた人生に向き合うことになる・・・。
小説家を見つけたら/Amazon Prime Video
作品情報
公開日 | 2000年 |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
国/言語 | アメリカ/英語 |
監督 | ガス・ヴァン・サント |
キャスト | ショーン・コネリー ロブ・ブラウン F・マーリー・エイブラハム |
感想
他の方のレビューを読むと、「文章を書く人がみると参考になる」って書かれていたので、ブログを書いている私としては楽しみに見始めたんですが、 この映画を一言で表すと「爺さんと少年の友情物語」でした。(正確にいうと小説家と文才のある少年)
文章を書くのに参考になったところももちろんありました。「自分のために書いた文章は、人のために書いた文章に優る」とか「第一稿はハートで書く、リライトには頭を使う」とか。
だけど、「年の差がある友人っていいなぁ。」っていうのが一番心に残った感想でした。
友人って同年代で作るもんだと思っていましたが、少年に求められて小説家が教えている姿を見ていると、年の差がある友情も微笑ましくていいんですよね。
この映画を見て、なんか久しぶりに「友情」って言葉について考えたかもしれません。
いくつになっても「友情」って言葉を使ってもいいんだなって。
学生の頃でもリアルに「友情」なんて言葉を口にしたことない気がしますが、言葉は使い方次第で、小説家が使うと綺麗にきこえます。
小説家は、少年に助けを求められて思わず行動に移してしまうほどに人を想う心情が自分のなかに芽生えたことを「友情の贈り物」と表現します。
ハートで文章を書くのを大切にしてきた小説家ですが、心に従い生きることも同じように重要だと少年に気づかされたのです。
まずはハートで、考えるのはそのあと。 この教えは文章を書くときだけでなく人生においても言えます。